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update/20130418
古活字版など/得難い本の一葉etc.


7000-090516
 _shuten3-2
  仮名活 しゅてん 断簡 古活字本・仮名草紙 「酒天童子」  零葉 一枚
  /古活字本の研究_同種所載/希本
83000 photo
7000-090519
_koetsu_utai-12
  古活字 光悦謡本 断簡 古活字・光悦本 謡曲名判らず   零葉 一枚
/第2,3,4種本の何れかに属す嵯峨本の片面一葉
38000 photo
7000-090523
-jinkhoki_1-A2
  古活字 塵刧記 断簡・・1-A2 古活字版・寛永4年刊 最初期版 『塵刧記』
/巻一目録部分・断簡(1-A2)/一枚
100000 photo
7000-090523
-jinkhoki_1-A3
 古活字 塵刧記 断簡・・1-A3 古活字版・寛永4年刊 最初期版 『塵刧記』
/巻一目録部分・断簡(1-A3)/一枚
 〈1-A2と同版〉
120000 photo
 ・・古活字光悦謡本断簡・・曲名は  「大会(だいえ)」 と、ご専門家に教えて頂きました
. . . 追加・予定



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【 善知鳥(うとう)切 リスト     【 忠度切 】 ・・・完売しました

零葉/分売についての・・・ 全般のご説明 嵯峨本図考 参考文献

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写真より現物が、総ての点
で勝っています。

古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
         /いかに案内・・/申べき由候・・/4AB/ 二枚1組

古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
             /なき人の・・/なれども・・/5AB/ 
二枚1組

古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
              /なるよふ・・/なり共・・/6AB/ 二枚1組

古活字版/光悦本謡曲/善知鳥うとう)切
            /松原の・・/ばかりなる・・/7AB/ 
二枚1組

古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切 
        /髪をかきなでゝ・・/たれ蓑笠・・/8AB/ 
二枚1組

古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
         /工商の家にも・・/九夏の天も・・/9AB/ 二枚1組

古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
         /なりしさと・・/にもはをしき・・/10AB/ 二枚1組

古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
             /ぬれじと・・/見えしも・・/11AB/ 二枚1組


お断り・・・写真照明の都合で雲母刷下絵が強調されて写っていますが、
実際には本紙を斜めにすると雲母が光る程度です。ご了解のほど御願
い申し上げます。

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hhn4AB-P1040055 古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
一種本零葉/一丁両面剥ぎ/いかに案内・・/申べき由候・・/4AB/ 二枚1組 

4AB(左-B)申へき由仰られし程にうは能そらにて・・・/秋草雲母摺下絵具引料紙/下部欠損傷補修有裏打済/朱筆書入/裏半丁。 4AB(右-A)いかに案内申候はむ誰にてもわたり候そ是は諸国一見の僧にて候・・・/秋草雲母摺下絵具引料紙/下部欠損傷補修有裏打済/朱筆書入/表半丁。
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hhn5AB-P1040056 古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
一種本零葉/一丁両面剥ぎ/なき人の・・/なれども・・/5AB/ 二枚1組  
5AB(左-B)なれともあはすれはそてありけるそあらなつかしの形見ややかて其まゝとふらいの・・・/早瀬雲母摺下絵具引料紙/下部欠損傷補修有裏打済/朱筆書入/裏半丁。 5AB(右-A)なき人のうへきゝあへぬ涙哉去ながらあまりに心もとなく・・・/秋草雲母摺下絵具引料紙/下部欠損傷補修有裏打済/朱筆書入/表半丁。  
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hhn6AB-P1040057 古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
   一種本零葉/一丁両面剥ぎ/なるよふ・・/なり共・・/6AB/ 二枚1組  
6AB(左-B)なり共名号智火には消ぬ扁し焦熱火焦熱なりとも法水にはかたし去なから此身は・・・/早瀬雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/裏半丁。 6AB(右-A)那るよふこと里那くなる声○宇とう屋須閑た一見卒○○永離三悪道此も・・・/梅が枝雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/表半丁。
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hhn7AB-P1040058 古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
一種本零葉/一丁両面剥ぎ/松原の・・/ばかりなる・・/7AB/ 二枚1組  


7AB(左-B)はかりなる有様哉○やけにいにしへはさしも契り里し・・・/秋草雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/裏半丁。
7AB(右-A)松原の志津○にまし流塩○○末引しほ流うら里の・・・/雲竜文雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/表半丁。
hhn7AB 拡大画像





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hhn8AB-P1040059 古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(8AB)切
一種本零葉/一丁両面剥ぎ/髪をかきなでゝ・・/たれ蓑笠・・/8AB/ 二枚1組  

8AB(左-B)たれ蓑笠そへたてなりけるや松島や小島の苫やうち遊かし・・・/花格子雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/裏半丁。
8AB(右-A)髪をかきなてゝあらなつかしやといはむとすれは・・・/花格子雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/表半丁。
hhn8AB 拡大画像





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hhn9AB-P1040060 古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
一種本零葉/一丁両面剥ぎ/工商の家にも・・/九夏の天も・・/9AB/ 二枚1組  

9AB(左-B)九夏の天も暑をわすれ玄冬のあしたも寒からす鹿をゝふ猟師は山をみすといふ事あり身の苦しさもかなしさも忘れ草の・・・/早瀬雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/裏半丁。9Bに鉛筆数字書き込み有。
9AB(右-A)工商の家にも生まれす又は琴棊書画をたしなむ身ともならすたゝあけてもくれても殺生○いとなみ生々たるはるの日も・・・/秋草雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/表半丁。
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hhn10AB-P1040061 古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
一種本零葉/一丁両面剥ぎ/なりしさと・・/にもはをしき・・/10AB/ 二枚1組  

10AB(左-B)に茂は越しき波のう支須をも・・・/早瀬雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/裏半丁。

同一本ながら Aの摺りは薄く Bは濃い。但し、薄い版を見ると摺りがより鮮明で、木活字に摩滅が無いことがよく判る。
10AB(右-A)なりしさとまても千賀の塩釜身をこかすむくひをも五行○けることわさを那しゝく○○さよ○うとう屋須閑たのと里と里に志那かは里た流殺生の中に無さん屋な此鳥のおろかな流哉つくは年の木々の木閑/早瀬雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/表半丁。
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hhn11AB-P1040062 古活字版/光悦本謡曲/善知鳥(うとう)切
一種本零葉/一丁両面剥ぎ/ぬれじと・・/見えしも・・/11AB/ 二枚1組  

11AB(左-B)見えしも〃○○にしては化鳥となり罪人を〃徒立○のはしをなくし羽をたゝき銅の爪をとき立ては眼を徒かむて志々むら越さけはむ登須○○猛火の煙に無さ無て声をあ○えぬはをしとりをう路し〃/秋草雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/裏半丁。
11AB(右-A)ぬれしと菅蓑や笠をかたふけこゝかしこのたよりをもとめ○加くれ笠かくれ見のにも○○されは猶ふりかゝ類ちの涙に目もく礼な井にそ見わたるはもみちのはし濃のさゝ起○○娑婆にてはうと宇や寸かたと/秋草雲母摺下絵具引料紙/文字一部欠/傷補修有裏打済/表半丁。
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≪お知らせ≫

謡曲【善知鳥切】の在庫を追加しました。 どうか、よろしく御願い申し上げます。

謡曲【忠度切】は先日完売いたしましたが、ご参考までに 〔Slod outの写真〕 を
下欄に続けて掲載いたします。





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・・・・此れより下は 謡曲【忠度切】〔Sold outの写真〕 と分売のご説明です ・・・・


光悦本謡曲 忠度切 0007A
古活字版/ 光悦本謡曲 忠度切 /一種本零葉0007A/(一丁両枚剥ぎの)片面一枚/    (Sold out)
座し給へ有難や今よりはかくとふらいの・・・・/竹林模様雲母摺下絵、具引料紙/文字欠無/傷小裏打補修済/
7837 / 2003030315kokatuSagaUtai-0007A


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光悦本謡曲 忠度切 0007B
古活字版/ 光悦本謡曲 忠度切 /一種本零葉0007B/(一丁両枚剥ぎの)片面一枚/      (Sold out)
夕遍能花の陰に寝て夢のつけをも待給へ・・/蔦蔓模様雲母摺下絵、具引料紙/文字欠無/傷小裏打補修済/
7837 / 2003030315kokatuSagaUtai-0007B


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光悦本謡曲 忠度切 0010A
古活字版/ 光悦本謡曲 忠度切 /一種本零葉0010A/(一丁両枚剥ぎの)片面一枚/    (Sold out)
いそかはしかりし身の・・・・・/蔦蔓模様雲母摺下絵、具引料紙/字面完全/傷極小裏打補修済/
7837/2003030315kokatuSagaUtai-0010A


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光悦本謡曲 忠度切 0010B
古活字版/ 光悦本謡曲 忠度切 /一種本零葉0010B/(一丁両枚剥ぎの)片面一枚/   (Sold out)
平家乃ためはよしなしと・・・/梅ケ枝模様雲母摺下絵、具引料紙/字面完全/傷極小裏打補修済/
7837/2003030315kokatuSagaUtai-0010AB


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光悦本謡曲 忠度切 0011A
古活字版/ 光悦本謡曲 忠度切 /一種本零葉0011A/(一丁両枚剥ぎの)片面一枚/  (Sold out)
住人に岡部の六弥太忠澄と・・・・/丸獅子紋唐草模様雲母摺下絵具引き料紙/字面完全/傷極小裏打補修済/
7837/2003030315kokatuSagaUtai-0011A


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光悦本謡曲 忠度切 0011B
古活字版/ 光悦本謡曲 忠度切 /一種本零葉0011B/(一丁両枚剥ぎの)片面一枚/ (Sold out)
かけしに六弥太の郎党御後より・・/梅ケ枝模様雲母摺下絵具引き料紙/字面完全/傷極小裏打補修済/
7837/2003030315kokatuSagaUtai-0011B


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光悦本謡曲 忠度切 0012A
古活字版/ 光悦本謡曲 忠度切 /一種本零葉0012A/(一丁両枚剥ぎの)片面一枚/   (Sold out)
十方世界無佛衆生摂取不捨と・・・/梅ケ枝模様雲母摺下絵具引き料紙/字面完全/傷極小裏打補修済/
7837/2003030315kokatuSagaUtai-0012A


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光悦本謡曲 忠度切 0012B
古活字版/ 光悦本謡曲 忠度切 /一種本零葉0012B/(一丁両枚剥ぎの)片面一枚/  (Sold out)
またしき長月比のうすくもり・・・・/龍紋唐草模様雲母摺下絵具引き料紙/字面完全/傷極小裏打補修済/
7837/2003030315kokatuSagaUtai-0012B


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光悦本謡曲 忠度切 0013A
古活字版/ 光悦本謡曲 忠度切 /一種本零葉0013A/(一丁両枚剥ぎの)片面一枚/  (Sold out)
付られたり見れは旅宿の・・・/草花模様雲母摺下絵、具引料紙/字面完全/傷小裏打補修済/
7837/2003030315kokatuSagaUtai-0013A /(巻末丁)


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光悦本謡曲 忠度切 0013B
古活字版/ 光悦本謡曲 忠度切 /一種本零葉0013B/(一丁両枚剥ぎの)片面一枚/   (Sold out)
陰にたちよりた万ひしを・・・・/草花模様雲母摺下絵、具引料紙/字面完全/傷小裏打補修済/
7837/2003030315kokatuSagaUtai-0013B/巻末




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【嵯峨本図考】 川瀬一馬著 1932/9(昭7) 一誠堂書店刊
  『観世流謡本』(P.57〜抜粋、原文一部省略)
  
・・・・・・前文省略、
丸岡桂氏は嵯峨本謡本は活字印本を以って六版ありと報じているが現在の伝本よりして少くとも
八版以上の存在は明確である。而して之を装こう(こう:三水偏に黄の字)の種類によって分てば
五種となる


第一は、厚様の雁皮紙を貼り合わせ、具引き雲母模様を施した料紙を用ひ、両面摺として帖装に
仕立てたもの。之には色変り料紙を使用する事はあるが、一帖の内に種々の色紙を交える事なく、
緑、紅等の一色の料紙を以って一帖としたものを百番中に若干混じている。(第一種本、之に属す)

第二は、第一と略々同質の色変り料紙を用ひているものであるが之には、雲母模様を摺る事無く
一帖の内に、各種の色紙を交え用ひている。但し其の書皮のみは大型の雲母模様を摺り込んだも
のを用ひている。(第二種本、之に属す)

第三は、第二と同質の料紙を用ひているが具引きのみを施して色変りの料紙を交える事のない
のである。但し、其の書皮のみは第二と同様のものを用ひている。(第三、四種本、之に属す)

第四は、以上の三種が厚紙に両面摺として帖装に仕立てられているのに対し、之は具引きの薄様
を用ひた袋綴
である。(第五種本、之に属す)

第五は、何等の意匠も施さない第四と同質の料紙を用ひている。但し其の書皮のみには雲母模様
を摺った薄い色紙を用いているものである。(第六、七、八種本、之に属す)

右の装こう(こう:三水偏に黄の字)の種別は即ち、彫刻の年次を示すものではなかろうかと思う。
其の装こう(三水偏に黄)の意匠が簡略となるに従って、其の版式は次第に硬化し彫刻の為の
書風に堕して行って、光悦書風の特徴を失いつつある事がわかる
。但し、行数は何れも同一、字面
の高さ等にも著しい相違は無い。又、覆版の際に、必ず行っている曲目の改編数が茲に掲げた種
別を追うて増加している事も亦、其の出版年次を示す傍証
となると思う。

其の出版年代は明瞭ではないが、慶長後半期中に相続いて上梓せられたものであろうと思う。但し、
茲に注意すべきは、慶長十二年以前にやや小型の(六行十五字、字面高さ約五寸八分)嵯峨本と
は全く版式を異にする精美なる観世流謡本の出版が行はれていた事であって、 〔本書内閣文庫(前
記参照)史記古活字本の書皮裏に発見せるのみにて、完(まった・き)き伝本に接せず〕 当時既に、
謡本の刊行が流行し初めていたものとすれば、所詮実用的なる出版と目す可き嵯峨本第五種本以
下も相当早く出版
せられていたものであるかも知れない。 

(P.60〜) 次に其の版式を異にする各種本について略記する。 ・・・中略・・・
「第一種」書風は光悦筆蹟の特徴をよく伝へ、彫刻の為の書風が現れていない。光悦自筆の版下
書きによったからであろう
光悦自筆と伝える鈔写帖装の謡本と対照すれば一層明瞭である。所詮
献上本として光悦が製作したものであるという伝説を有するこの第一種本・・・中略・・・赤絲を以っ
て帖装に仕立てたのが原装
である。同じ装こう(三水偏に黄の字)を有する異版は未だ発見されない
・・・以下略す・・・・。  (傍線は補足しました)                             



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光悦本/謡曲/零葉/分売のご説明など
【全般の ご説明】 ○順次掲載致します嵯峨本謡曲切の曲目は、『忠度』と 『善知鳥』(うとう)、の二曲です。
  一丁を表裏二枚に剥ぎ分け、裏打ちを施していますが、各々、多少状態が異なります。
【各丁の 相違点】 ○二曲の相違点は、1.内容  2.料紙地色 二曲/二色  3.下部損傷の多少
  4.朱筆・書入の有無 5.善知鳥一部の丁に鉛筆書込み/消し残し極少あり
  6.雲母摺下絵模様と文字の見栄え等の差異 7.表示価格の違い
【各丁の 共通点と ○二曲共/古活字/光悦本謡曲/慶長刊/一種本。 ○一種本特徴の光悦自筆版下書と言
  一種本の特徴】   われる肉筆風の仮名木活字の摺本。○一冊全丁/同じ地色の具引料紙と雲母摺下絵。
【雲母模様の状態】 ○当画像はスキャナー光源が垂直の為、雲母模様が写らず不本意です。 料紙の具引き
  と雲母模様は少し薄くなっていますが、素晴らしい光悦模様がまだ充分、よく見えます。
【分売に至る理由】 ○表紙と前、後丁の破損及び各丁、下部の部分破損を救済する為、二枚剥ぎして補修と
  裏打を施し元姿の保存に努め、より多くの同好方にお求め頂ける様、分売を選びました。
【嵯峨本参考文献】 ○明細リストの前項に川瀬一馬先生著『嵯峨本図考』(1932刊)の該当部分を抜粋して載
 せさせて戴きました。
【光悦本】という呼び
方について
○当、謡曲二本について、あえて旧来の【光悦本】という通称を使っていますが、それはも
 とより、本阿弥光悦が自ら版下を書き、自ら監修して作ったとされる一種本を【光悦本】と
 称するような意味を含んでいます。一般的には【嵯峨本】と呼んだ方が良いかと存じます。

光悦本製作の
【摺版工程】
について、追記。
○一枚の料紙の両面に文字が摺られた当本を見て、その工程を種々推測することが出来
 ます。世に言われているように「厚様の雁皮紙を貼り合わせ、具引きと雲母模様を施した
 料紙を用ひ、両面摺りとして帖装に仕立てた云々」と考えるのは至極当然の様では有
 りますが、その工程に少異がありそうに思えます。木版刷りの常識として「張り合わせた
 料紙の両面に具を引きキラ(雲母)摺りの下絵を施してから両面に文字を摺り込んだ」と
 は考え難く、ここはやはり片面ずつ仕上げたものを最後に張合わせ、製本したと推測し
 た方がより正確であろうかと思います。出来上がった結果から見れば同じですが、あら
 ゆる物の工程を追って推理する事は大切ではないでしょうか。
 (写本と版本は工程が違います)
○先人の貴重なご研究をおろそかにするものでは有りませんが、原資料を目にし、手に
 持って考える時、かって積み上げられてきた数々のご研究のスタートと同じ次元に今いる
 と考えれば新しい道が開けるかも知れません。古文書などにはそういう機会があります。
 古活字本でも表紙裏の芯紙に使われていた摺り損じの反古が、新発見(未刊本)の古
 活字版であったこともあり、当然それは本(表紙)の出版年次より以前に摺られたと推定
 できます。現物からうける情報を最重要に考えての研究が真理につながる事を感じて、
 憚りながら僭越ではありますが目に見える事の一例として追記させていただく次第です。

【写真サイズと色合】 ○写真サイズは、TFT15インチ液晶モニタで見る時に約当倍、17インチモニタでは少し大き
 く表示します。 当写真の色は不正確です。現物は明るく美しくて、かつ鮮明です。写真が
 不備で誠に申し訳ありません。      (店主拝)



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